インタビュー

開発者インタビュー:第1回

2010,05,13

『ブレイズ・ユニオン』発売まで、残すところ2週間。

発売が待ち遠しくて、たまらない日々を過ごしているユーザーさんに耳寄りの情報をお届けするため、『ブレイズ・ユニオン』の開発スタッフにインタビューを敢行。

今回は、プロデューサーを担当している安井光氏に、開発の経緯などあれこれとお話を伺ってきたので、たっぷりとお楽しみ下さい。

■ 完成度の高い前作があるからこその苦労

――まず、『ブレイズ・ユニオン』を制作するにいたった経緯をお聞かせください。
安井:『ユグドラ・ユニオン』をPSPに移植した時、非常にデキの良い作品だったので、同じシステムを使って続編やスピンオフ作品を作りたいと考えていたんです。
制作すること自体は、早くから決まっていたんですが、『ユグドラ・ユニオン』の完成度と高評価をどうつなげていくかという部分で、じっくりと時間をかけて作ってきた感じです。


――『ユグドラ・ユニオン』の後日談でなく、過去の物語を描こうと思ったのには何か理由があるのですか?
安井:『ユグドラ・ユニオン』は、すごくやり尽くした感のあったタイトルだったので、「そこを越えるには何か打破しなくてはならない」ということをかなり考えました。
『ユグドラ・ユニオン』を最後までプレイするとわかるのですが、ストーリーも完結しているんです。そのため、後日談としての続編を作った場合、「『ユグドラ・ユニオン』を遊んで頂いたユーザーさんに対してのアプローチは弱い」とも思っていたんです。ただ、見方を変えて、帝国側に目を向けると、物語的なフォローがあまりないことに気づいたんです。
そこから、「敵側という逆のアプローチで、物語に深みを持たせて膨らませ、舞台として描いたら面白いんじゃないか」と思いついたんです。


――システムには、変更がないようですが、どうしてですか?
安井:『ユグドラ・ユニオン』は、シナリオだけでなく、システム面でもやりつくしました。そのため、完成度が高いシステムだと思っています。
『ブレイズ・ユニオン』でシステム的な変更がないのは、「変更する理由がない」というのがあります。また、このシステムを使って遊んでもらいたいというのも、『ブレイズ・ユニオン』の企画のスタート時にありました。システムを継承しているのは、そんな理由からきているんです。



■ 決め手は“ギャグ”作りの上手さ!?

――『ブレイズ・ユニオン』では、ストーリーに「アールフォース・エンターテインメント」を起用した理由は?
安井:それは、ファンの人には気になる部分かもしれませんね(笑)。『ユグドラ・ユニオン』は内部でシナリオを起したのですが、『ブレイズ・ユニオン』では、シナリオも客観視して描きたかったというのがあります。また、キャラクターデザインも含めて、いままでにないアプローチをという考えもあったので、今回はアールフォース・エンターテインメントさんにお願いしました。
『ブレイズ・ユニオン』では、マルチエンディングを念頭に考えていたので、ゲームシナリオになれている、アールフォースさんが適任だったんです。
あと、アールフォースさんは、ギャグを作るのがうまいんですよ。『ブレイズ・ユニオン』は、重厚なシステムなので、世界観的にも暗めなところがあると思うんです。
それを、シナリオで打破したかったってのもあります。できあがったシナリオは、「ガーロットが戦乱を駆け抜けていく」いう重々しい主軸の中で、ギャグテイストも織り込んだ楽しいシナリオになっています。


――ギャグテイストが織り交ぜられたシナリオとは、最初からの狙いですか?
安井:実は、狙ってないんです(笑)。当初は、重厚な戦いの物語でした。ですが、「ちょっと暗めだよね」という意見も出ていたんです。
変更のきっかけになったのは、アールフォースの社長さんと話した「最近のエンターテインメントってライトな感じから間口に入って引き込んでいくのが重要だよね」という話からです。
そこから、ライトな方向にリライトをかけて、個性的なキャラを増やして、エンターテインメント指向の強い今回のシナリオに仕上げていったんです。



■ 完成度の高いものが作れたという自信の一作

――今作の見所は、やっぱりシナリオですか?
安井:システム的には、『ユグドラ・ユニオン』を引き継いていますし、見所はやっぱりシナリオになります。
マルチエンディングにも注目してもらえればと思います。ストーリー的には、『ユグドラ・ユニオン』の始まりにつながる結末なので、同じ終焉を迎えるために途中のルートが大きく変わって行く流れです。やっぱり、ゲームシナリオの醍醐味っていうのは、「ユーザーの行動によってストーリーが変化すること」だと思っています。
この部分は、展開の決まっている映画にはできないゲームらしい部分ですし、『ブレイズ・ユニオン』では、ユーザーが自由にシナリオの中に入り込んでいけるように作っています。
そういう意味では、完成度の高いものが作れたと自負しています。


――ファンの人が気にしているのは、『ユグドラ・ユニオン』のキャラクターの扱われ方ですが、前作のキャラは多数登場しますか?
安井:それは、もちろんです(笑)。公開しているオープニングアニメを見れば分かると思いますが、『ユグドラ・ユニオン』のファンの方なら「あのキャラはあれか?」と、予想されているんじゃないかと思います。キャラクターデザインが一緒なら「あのキャラがでるのか!」となるんでしょうが、今回はデザインが違うので、なかなか分かりにくい。そのじれったい部分も含めてシナリオの魅力につながっていると思います。また、設定的には、3年前なので「えっ、そんな過去があったの!?」といった、驚きを随所に織り込んでいます。とにかく、『ユグドラ・ユニオン』でフォローできなかったキャラクターの過去をしっかりと描いているんです。




次回は、今回お伝えしきれなかった本作で変った点および前作から引き継いだ点に加え、キャラクターデザインを一新した意図、林氏が作り上げる楽曲について伺ったインタビューをお送りします。

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